エピ1

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「フンババは、駄目ですか…  では、ポチ、又は、タマは、どうでしょう?」 「………」 思わず青年は、ジト目で見てしまう。 「俺は、犬でも猫でも、ないのだがな」 マーレリアは、キョトンとして、青年を見る。 「当たり前じゃないですか。  神子様を、そのように見るなど…  考えられませんわ!」 不思議そうに告げてくる。 (ふぅ。  悪気はないようだね) 「俺の元居た世界では、ポチは犬の名前。  タマは猫の名前だったんだよ」 そう告げると、マーレリアは恐縮して言う。 「それは知らぬこととはいえ、失礼致しました。  ポチは、過去に善政を行った賢王の愛称なんです。  ポチラーヌⅢ世が、正式名ですわ。  タマは、聖者タマンドーラ様の愛称なんです」 「もう、良いです…  自分で考えます」 思わず、そう告げる青年だった。
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