トラジェディー@ボーイズサイド。

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俺の名前は三井 蓮(みつい れん)。 高校一年生。 金髪にピアス、ズボンは腰パンで背が高く目は鋭い。 不良とギャル男を足して二で割った感じである。 過去の俺を知る奴らは同一人物だと中々判断できないだろう。 俺の通う高校には、少し離れたとこに学校とは別館で古ぼけた図書館がある。 校内に新しく図書室ができて、図書館を利用する人はあまりいない。 書庫変わりに使われているから、小難しい本が多い。 噂では幽霊がでるとかでないとか……。 だから、利用するのは文芸部や物好きの人がちらほらいるくらい。 受付もいないから、貸出記録をつけるのもセルフサービス。 でも、そこは俺の安息の地。 ここに来るとある人に会えるから……。 外界から遮断されたその空間は、しんと静まり返り独特の雰囲気がある。 三人兄弟の末っ子に産まれた俺はいつも出来のいい兄二人と比べられてた。 悔しかった……。 だから俺はがむしゃらに勉強し、常に学年トップをキープしてた。 兄二人に負けたくないという思いからがむしゃらにスポーツもやった。 優等生な俺に両親は期待した。 俺には凄く凄く重たく感じた。 俺は人とつるむのが苦手。 『無愛想だ。』 とよく言われた。 愛想よくしても何も得しない。 無駄なだけ。 俺は優等生のフリをしていた。 目立って浮いた存在になりたくないから。 周りから浮いた存在だと俺自信が損をする。 いや……。 自分が傷つく事を極端に嫌ってる。 だから友達なんて形だけでいい。 恋人なんて作らなくていい。 別れの辛さを知ってるから。 中学の時、彼女がイジメられていた。 ホント、きっかけは些細な事だった。 だけど俺は助けれなかった。 この過去を消去したい気持ちから遠く離れた誰も知ってる人がいない高校へ。 親は反対することなく俺を進学させた。 気が楽になった。 だけど、何だか心が寂しくなった。 俺は人と足並み揃えて、平々凡々に生きてればそれでいいと思っていたんだが……。
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