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「千夏、大丈夫か？」
俺は千夏の前に、仁王立ちする。
何が何でも俺が千夏を守る！
「……っつ、テメェ。」
腕を捻られた男子生徒は余程痛かったのか、腕を押さえている。
まぁ、怒りを込めて捻りあげたからさぞや痛いだろうな。
「おやおや、元カレ登場か。」
男子生徒達がじわりじわりと俺と千夏に近づく。
上等だ！
「千夏に手をだしたらただじゃおかないぜ。」
俺は後ろでふるえる千夏をかばいつつ、男子生徒を睨みつける。
「ヒーロー気取りかよ！」
ツッコミを入れながら男子生徒の一人が俺に殴り掛かってきた。
瞬時に俺はカウンターパンチをくりだす。
「ぐあっ！」
ほぼ同時に俺のカウンターが決まり男子生徒が吹っ飛ぶ。
「大丈夫か！」
慌てて仲間の男子生徒が近づく。
「……今引き下がるなら許してやる。
俺様、強いよ。」
バキバキと俺は指をならす。
俺、喧嘩メチャメチャ強いんだよ。
ふふふ……。
「……ッチ。
覚えてろよ！」
カウンターをくらった男子生徒を連れて、捨てぜりふを吐き男子生徒達は尻尾を巻いて逃げていった。
一時はどうなるかと思ったけど……。
悪者退治成功ってとこかな。
「大丈夫か！
千夏！」
男子生徒達を追い払った俺は千夏の方を振り返った。
怪我してないみたいだし、よかった。
「助けてくれなんて……言ってないわよ。」
千夏はへたれ込んでいる。
余程怖かったんだろう。
立ち上がろうとするけど立てない様子である。
「ボランティアだよ、ボランティア。」
俺はわざとぶっきらぼうにそう言うとスッと、千夏の目の前に手を差し出した。
「優しくしないでよ！」
パシッ。
千夏は俺の手を振り払う。
「あ、わりぃ。」
俺は差し出していた手をサッと引っ込めた。
図々しすぎたかな。
「……最悪。」
千夏はゆっくりと立ち上がる。
「あ？」
ゆっくりと立ち上がった千夏を見て、俺は首を傾げる。
意味がわからないぜ。
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