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「カピバラ?」
カピバラってなんだろう、バラの一種? 足を止めて考える。なんとなく空を見上げながら。
『ちょっとあんた、もしかしてカピバラを知らないの……?』
「え、うん。知らない。カビだらけのバラ?」
『どんなバラよそれは。時々あんたの頭の中を覗いて視たくなるわ、ほんと』
ため息混じりの呆れた声で竹ちんは言う。
ちょっと馬鹿にされてるみたいでむっとしてしまった。
『あのね、カピバラってのは動物、モフモフ可愛いの』
「動物って、私に動物園に行けって言うの?」
『違うちがう、あんたが今日から通う大学にいるのよ。カピバラが』
「そうなの? あっ、あれか、サークル活動で動物を飼ってるところがあるんだ」
そう言えば、私の通う大学はサークル活動が盛んで有名だったと思いだす。おそらくだけど、サークルの一つに動物の飼育をしているところがあるんだと思う。
『正解! 朔乃にしてはやーるじゃなぃ』
ビンゴ。と言うか一言余計よ竹ちん。
『でねでね、悪いとは思ってないけどさ。カピバラの写メを撮ってきてよ~』
悪いと思ってよ。まぁ、でも、それくらいなら全然いいかな。
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