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「うん。いいよ、入学式済んだら写メ撮って送るよ」
『さっすがー、そんな朔乃が大好きですっ』
あはは。ほんとに竹ちんは調子がいいな。でも、好きって言われて気分は悪くならないや。
「ありがと。じゃあ、そろそろきるね」
『あ、うん。りょーかぃ。楽しみに待ってまーす』
最後にじゃぁね、と言ってお互い電話をきる。一つ仕事ができちゃったけど、竹ちんがああまで楽しみにしているカピバラに興味がでてきた。
大学生活には微塵も興味はわかないくせに、私はまだ見ぬカピバラに会うのが楽しみになっていた。
ひっきりなしに舞っている桜の花びら。それがなんとなく、ようこそっ! と大学に歓迎していると思ってしまうのは、やはり、カピバラという竹ちんをとりこにしている謎の生命体が大きいと思う。
私は歩く。桜に見送られ、祝福の花びら舞う道を。
まだ見ぬカピバラ思いを馳せて。
今年の春は、素敵な出逢いがありそうだ――――
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