謎の生命体に会いたくて

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「んー、どこなんだろう……」  迷った。大学は高校と違ってとにかく広い。  何事もなく入学式を済ませ、友人同士や親御さんたちが記念撮影をしているなか、私は一人カピバラを探す旅にでていた。  入学式の行われたわいわいと賑わう講堂前を後にし、大学関係者と思われる用務員さんを捕まえて道を訊ねた。  用務員さんは懇切丁寧に教えてくれたというのに、迷ってしまった。  とりあえず自分の一連の行動を思い返してみた。 「どうしよっかな……」  きょろりきょろりと辺りを見渡してみる。  ここは中庭かな? こじゃれたカフェテラスみたい。ひとけはちらほらとあり、大学の生徒と思わしき人たちがくつろいでいる。  とりあえずは近くの白いテーブルに座っている男の人に訊いてみることにする。 「あの、すいません」  男性は本に落としていた顔をあげて私を見る。 整った顔立ちをした美男子だ。でも、長い前髪から覗く眼は鋭くてちょっと怖いかも。 「……なんだ」  あれ、怒ってらっしゃる!? 声が不機嫌だよ…… 「あ、え、と……そのぉ……」 「なんだ、用があるなら早く言え」  やっぱり怒ってる、眼が鋭いよ。鋭すぎるよ。
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