謎の生命体に会いたくて

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      ◆  目付きの鋭い男の人に続いて大学の敷地を出ると、田舎の大きな大学だけあってすぐ近くに田んぼがある。  両脇を田んぼに固められたあぜ道を10分ほど歩く。  すると、前方に手作り感のただよう木製の柵に囲まれた、これまた木で出来た建物が目に飛び込んできた。古ぼけた木造の建物、だけど汚ない感じはしなくって、いい味がでてるなぁ、とぼんやりと見ていた。 「アレがアニサーの活動場所だ」  男の人はくいっとアゴで示しながら教えてくれた。 「あそこにカピバラがいるんですか?」 「ああ。――もう“さん”づけはしないのか?」 「いや、あの、その、あれはですね――」  別に焦る必要なんてどこにもないのだけれど、さっきテンパッた自分の言ったことが恥ずかしくって、あわあわと身振り手振りをしてしまう。 「――面白いやつだな」  はうっ、鼻で笑われてしまった。変なやつだと思われたかもしんないよ…… 「着いたぞ」  どよよーんと肩を落とす私を気にした様子もなく、男の人は小さな木製の柵を開けながら口にした。  私は言われて顔を上げる。
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