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「まさに、砂漠の魔物でしょう?」
ルリに問われて、ソラは返事に困る。式紙の数億の白蟻を見たことはあるが、自然に出来た蠍の集団の話は初めてだった。それと同時に、別れ際にぼやくブギルの声が、疲れきっていた理由も察しがついた。
「とりあえず、副が起きる前に、潰しに行こう」
「夜は、砂流の位置が把握しづらいから、朝になってからにしよう。飲み込まれたら一環の終わりなんだから」
「副が起きる前が良いんだ。どうせ、副も同じこと考えている筈だから。それから、副が来ないように見張っといて?」
「砂漠を甘く見ないで。神様に死なれたら一大事だわ」
ルリが、語気を強める。
「だから、神様じゃない」
ソラは、呆れたように言って立ち上がる。取り合えず、待っていることに限界を感じていた。
「神様よ。だって、あたしが生きているのは、神様のお陰よ! きっと、あたしは、神を助ける為に選ばれたのよ!」
「おいおい、詐欺師はそんなことを言ったのか?」
ソラは、ルリの嬉々とした眼差しに、後ろに下がる。
「詐欺師? 誰のことよ。あたしは、。神が居なければ、あたしは此処に居ないの。だから、恩返しさせてください」
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