一章/砂漠

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 朝日が昇ると、夜の寒さは消えて、真夏なみに気温があがる。慣れない気候に、ウィルス性の病気に掛かる可能性があるらしい。ウィルス性の病気は、治療が難しい上、ソラは免疫が薄いので勘弁して欲しかった。  病室を聞き出して、二人は、スピカを見舞う。  スピカは、蠍の毒は抜けたようで、朝食も食べた後らしい。然し、医者が外出を許可するには早いと言うので、ソラとルリは、スピカを病室に置いて、図書館を目指した。  各国には、公立図書館と本好きが経営する私立図書館がある。前者が、政府や神官が公式に作り上げた史料館であり、後者が一般経営されている施設だ。また、闇図書館なる存在もある。闇図書館は、その名のとおり、裏社会で取り扱う資料を置いている。破滅の詩に関する資料もどちらかといえば、闇図書館の方が見つかりやすい。然し、ルリを連れていくのが難しい為、ソラは諦めた。  図書館は、本を貸し出す他に、旅人の宿り木となっている。  公立図書館では、食事もベッドもないが、一泊を無銭で泊まることができる。逆に私立図書館は、経営者の意向で金さえ払えばニ、三日の宿泊が可能だ。近年、宿代を浮かせようとする旅人や出張者は後を立たない。
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