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…………。
………、…ここは…夢の中だろうか?
真っ暗で何も見えない。
『…久しぶり、飛鳥』
!!…お前、は…腐れ天人!
『酷いなぁ…俺には戒という名前があるんだって』
知るか!
…お前、夢にまで出て来やがってッ!
戒『…飛鳥、俺は必ずお前を捕らえる。どこに逃げようと、どんなに遠い所に逃げようと、必ず連れ戻してやるよ。必ずな』
気味の悪い笑みを浮かべた戒に、飛鳥は絶望的な表情を見せた。
戒『…待っているといいよ。また実験体として操られる時を』
ふざけるな!私は自由に自分の意思で生きて行くんだ!
……お前らに弄ばれてたまるか!!
戒『…クククッ。またな、飛鳥』
ま、て……私は…お前を、必ず…殺し、て…やる…か……ら……
ガバッ!!!
飛鳥「っはぁ!はぁ!……夢、で良かった…」
(嫌な夢だな……)
そう思いながら手当が施されていた三箇所の傷痕を、ゆっくりとなぞった。
飛鳥「……日付、変わったみたいだな」
まだ朝だと思われる外の雰囲気に、一日中寝ていたのだと思考が行きついた。
(…少し外の空気を吸うかな)
ガラッと襖を開けると、丁度飛鳥の部屋に入ろうとしていた土方と出くわした。
当然、飛鳥は嫌な顔をした。
土方「チッ……傷はもう良いのかよ?」
飛鳥「…あぁ」
一切視線を合わせようとしない飛鳥に、やはり土方はピキピキと青筋を浮かべた。
飛鳥「…いつまでそこにいんの?邪魔だけど」
そして土方の中でパンッと何かが弾けた音がした。
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