幻(プロローグ)

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どうやら俺は転生というものを経験したらしい 気がつくと俺は赤子の中にいた 不思議な感覚だ この赤子と俺の意識は混在していて、お互いの存在を別として認識できるのに、お互いがお互いを自我だと理解しているのだ つまり、そいつは俺で、俺はそいつだと根拠もなく最初からそうだったかのように意識の中心に植えつけられている やがて俺の意識もそいつの意識も、身体の成長の過程で溶け合い、一つの完成された自我になるのだろう 俺の意識は過去の記憶としては残るだろうが これは貴重な経験をしたものだ おもしろい 次の俺はどう生きる? 今度の世界は俺に何を見せてくれる? †
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