幻(プロローグ)

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メイセス家は全てが秘匿。 特殊訓練の方法は勿論のこと、一族の規模も、出生も、後継ぎの年齢でさえ、一切明かされる事はない。 僕はその一族の現当主の長男、つまりは次期当主という立場になってしまい、厳しい訓練を受けなければならなくなってしまった。 そのため、当然学校にも通えない。 基礎体力を身につけ、音をたてずに移動する方法や気配を消す方法から、果ては女性として潜入するための女らしい仕草や化粧の方法まで短い時間でみっちりと教え込まれた。 真剣にやらなければナイフが飛んでくるので死に物狂いで取り組んだ結果、才能があったらしく全ての技術を異例のスピードで習得してしまった。 (この間に母親の鬼気質ともともとの性格である自己中心的な考え方が基に、少しずつ主人公の性格に歪みが……) …
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