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歩くのは体力的には全く問題ないのですが、正直面倒で堪りません。
しかし、身分を明かす訳にはいきませんので仕方がない、仕方がないのです。
……はぁ。
細心の注意を払い、常に周囲1kmに自分以外の気配が無いか確認しながら里を離れる。
(稀代の天才とまで呼ばれる事もあった主人公にできない事は無いと思って下さい)
人がいない隙を狙って街道に出てからというもの、レイドの心はひたすらに怠惰で満たされる。
次第に歩くスピードが上がり、また道を逸れると今度は走り出した。
速度は上がり続け、魔術を身に纏っている訳でも無いのに既に人外の域だ。
有り得ない速度を出し続け、数日はかかる距離を数十分という異例の短時間で進み、目的の街付近まで近付いた。
そしてレイドは何食わぬ顔で街道に戻る。あんな異常行動をとったのに息ひとつ乱れていない。
学園の編入生だと言えば簡単に街に入れました。
此処が新しく私が住む事になる街ですか…
…
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