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「灼熱の炎よ。我が敵を大気諸共焼き払え!!バーニングアトモスフィア!」
その声とともに、大地から炎が吹き上がり巨大な銀の龍を灼く。
だが、炎が消えた後もその龍がダメージを受けている気配はなかった。
「くっ……」
朧龍の玉座。
朧龍の一族を祀る特別な場所。
此処は世界と隔離されており、侵入するにはそれ相応の力とモノが必要だ。
「愚かな人間よ……。此処に来なければ命を失うこともなかったのにな」
そうだ。この龍の一撃で対龍用の装備は破壊され、自分を含めた6人以外みんな死んじまった。
「1人では何もできないだろう。下界の兵器を失い、仲間を失ったお前にはな」
そして、生きてると言っても皆かなりの重傷を負っている。
認めたくはないが、コイツの言うとおりだ。俺に打つ手はない。
もう、死ぬしかないのか……。
「……だが、ここまで力のある者達を失うのは勿体無い。人間。死ぬのと生きるの、どちらがいい?」
突然の問いかけに俺は頭がフリーズした。
さっきまで、大量の人を平気で殺していた奴だ。
なんでこんなこと聞くのかわからなかった。
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