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「うぅ……」
俺が煌朧龍と会話していると、隣に倒れている女が呻く。
マズい……応急処置はしたけど、これ以上は危険だ。急がないと……。
「そうだったな。お前以外は死んだか瀕死の重傷だ。これ以上放置すれば間違いなく助からないだろう」
「だったら、アンタが治してくれよ!!神様なんだろ?それくらい簡単に出来るんじゃないのかよ!」
なんでコイツは分かってるのに何もしようとしないんだ?目の前で命が失われようとしてるのに……。
「我は破壊と恐怖の神だ……。破壊や死を与えることは出来ても、修復や蘇生をする事は出来ない……」
「……ツッ!」
「だから……お前が生き残りを救え。我が、此処からお前達の故郷に致までの障害を破壊しよう。そうすれば、助けることも出来るだろう……」
煌朧龍は一度翼を広げると、俺の目の前の空間を裂く。
俺は、無言で仲間を抱えその中に入った。何時か、この地で死んだ勇士達の敵を討つと心に誓って。
「人間よ、強くなり再び我を殺しに来い。……待ちこがれているぞ、勇者メラキスよ……」
裂け目が閉じるとき、自分の名前を呼ばれた気がした……。
煌朧龍、彼奴だけは……必ず滅ぼす。
奴の一族も全て
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