いつもと同じ

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うん、うめぇ。 いつになくべらぼうにうめぇんだな、こいつ。 一樹は高校の文化祭でなんとなくボーカルを任された。あまりの上手さにファンクラブまで出来たらしい。 その後活動を続けたいとバンドのメンバーにひき止められていたが、大学に行きたいという理由でバンドを辞めたという。 そのへんにいるアイドルと比べたら断然一樹の方が上手いと俺は思う。 ここで歌わせてるのがもったいないよなぁ…。 こいつの歌を聞いていつも思う。 その事実を知るのはこの場には俺だけだった。 当然一樹をなめていた奴らは驚き言葉を失っていた。 ざまぁみろ。 慧:どう?一樹うまいでしょ? 俺は隣の女に話しかけた。 さっき会った時から俺ばっか見てるから隣に座ってみた。 照れてるのがまるわかり。 『うん、びっくり!』 慧:みなちゃん、でいいんだよね? みな:うん!慧くんだよね? 慧:そう。よろしくね。 みな:うん! みなちゃんは嬉しそうに頷いた。 少しみなちゃんと話した後、俺はトイレに行くために席を立った。
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