はじまりはじまり

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なぜかはわからないが、浪士も逃げていきそこには土方と少女だけ。 「…死なせちまったか」 すまない、と心の中でつけたし、その場を立ち去ろうとした。 「…ちょっと待って」 足元から少女の声。 まさかと見ると、うつ伏せのまま少し近づいてきていた。 「こわっ!」 「ひどっ!」 確かに少女は貞子のように怖かった。 髪をあげれば血まみれの顔。 土方は逃げようかと思ったが、なぜか彼女をおぶっていた。 これが彼女と新選組の物語のきっかけである。
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