プロローグ

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僕は小さいころから、絵本を見たり読んだりするのが好きだった。特にあのころ、よく読んでいたアンデルセンの童話「人魚姫」が一番好きだ。 その本を開いていると、よく「男の子のくせに…」と母に叱られ、友達からも「女みたいだ。達子ちゃん」なんて言われ、からかわれていた。 それでも僕は「人魚姫」が好きだった。なぜかわからないけど、大好きだった。 いつも思う。人魚が目の前に現れたら、僕はどうするだろう。すぐにわかるだろうか。いや、きっとわかる。僕の、僕だけの人魚姫だもの…。
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