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南のずっと遠い海。
蒼。というのがピッタリくるくらいの深く蒼い海の中に、気泡が無数に生まれた。
海上へあがる気泡とは反対に、それを生み出したものは海のそこへと潜っていく。
肢体を優雅にくねらせ、深い谷間へ入っては岩に生息する植物を取り、腰に結わえられたカゴに入れていく。
時には赤や朱色の珊瑚の周りを、見え隠れするように泳ぐ華やかで小さな魚と戯れる。
生きている悦びを知っているのかわからないが、生きるために餌を獲ることに飽きると、今度は思う存分珊瑚礁の中を遊ぶ。
誰にも止められることはないのだから、放っておくと一日中泳いでいるだろう。
そして疲れたら、シダの葉っぱを敷き詰められた岩の上に寝転がる。
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