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俺はヒロ、立花 尋。
小さい頃に学校の作文で、将来の夢はヒーローになることです！なんて書いちゃって。
しかもそれを発表しちゃったから、そん時から俺のあだ名はヒーローになった。
でも本物のヒーローには程遠い。
なんたって頭は悪いし、顔のレベルは中の中、金髪にしてみたものの存在感は無し。
そして何より、俺はホモだから。
ホモのヒーローなんて格好つかないし…つかそれ以前に誰も好きにならないだろ、そんなヒーロー。
でもそんな俺が本物のヒーローになれたのは、つい数日前のこと。
話は少しさかのぼって、数ヵ月前。
俺は友達と別れて家路についていた。
その時、ふと新しく出来たスイーツ店が目に入った。
あの時はまだ出来て数週間だったはずなのに、店内は女の子でいっぱいだった。
可愛い感じの店内に、色とりどりのケーキ。
まさに女の子受けする店。
俺は甘いものに目がないから、暫く店内の様子をｼｮｰｳｨﾝﾄﾞｳから見ていた。
今の時代、男が甘いものを食べたって何らか変では無いんだろうけど…
でも俺のプライドが入ることを躊躇わせる。
うーうー唸りながらｼｮｰｳｨﾝﾄﾞｳを見る俺は、さぞ営業妨害だっただろうな。
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