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自分のしたことに現実味が無さすぎて、その後女の人に凄いお礼をされたけど、何を言われたのかサッパリ覚えてない。
ただ
「ありがとう」
不意に聞こえて、俺の心臓が跳ね上がったあの人の声だけは、今もハッキリ思い出せる。
「店からだと手が出せなくてね…常連さんだったんだ、助けてくれてありがとう」
いつもガラス越しに見ていた男が、俺の目の前で、笑ってる。
嘘、俺、今超泣きたい。
「お礼と言っては何なんだが、私の店のケーキ、食べていかないか?いつも見てたろ?」
バレてた。
でも覚えててくれた。
どうしよう、超嬉しい。
「迷惑、か?」
俺の首は物凄い勢いで横に振られることになった。
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