クマ、出没注意。

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ある~日♪森の中♪クマさんにぃ♪出会ったぁー… (ぁぁああって歌ってる場合じゃねぇ!!!!!) とある理由で家にいられなくなり、フラッと入った森で、俺はクマと出会った。 俺は急いで近場の太い木の影に隠れ、クマを見る。 まるで家政婦は見た!のようだが、まぁうん誰もいないし。 そのクマは、幸か不幸か、こちらには気づいておらず、ただ黙々と花を摘んでいた。 その度にチラチラ見える肌色が、黒の毛皮と相まってとても白く見えた。 (…ん?肌色?) 良く良く注意して見ると、そのクマは黒い毛皮のコートを着た、髪も髭も伸びっぱなしのただの人間だった。 「…んだよ、人間かよ…」 俺がハァ…と大きな溜め息を吐くと、男はビクッと体を強張らせ、持っていた花を辺りに撒き散らしながら素早く立ち上がった。 立ち上がったそいつはヒョロリと長く、細かった。 デカく、クマのように見えたのは毛皮のせいのようだ。 「あー…うん、別になんもしねぇから…」 俺が何もしないことを表すように両手を挙げると、男はユラッと首を傾げた。 その拍子に髪の間からチラッ見えた瞳は綺麗な赤だった。
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