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波越えぬ
契りありてやみさごの巣
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六月の風が頬をなぞってゆく。
まだ初夏とは言うものの、
昨日まで続いていた雨のせいか
まわりは蒸し暑い。
旅はまだ折り返し地点だ。
これからまだ暑くなると思うと
象潟の絶壁に広がる絶景の前でもつい、
気がめいってしまう。
この景色を、なんとしてでも
言葉に残さなくては………
そんなとき彼─曽良君が読んだ句
あぁだめだ、やはりこの景色は
心を病ませるものがあるらしい。
例えばこんな戯言を言ってしまうくらいには。
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