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そしてこの閉鎖的な空間に新たに加わった異色の存在は、瞬く間に学園中に広がっていった。
次の日、無駄に顔のいいこの学園一の権力者である生徒会ご一行がわざわざうちのクラスに来た。
目的はやはり転校生がどんな者かを見定めるためだろう。
凄まじい人気を誇る生徒会の中でも、めったに見れない上級生の会長様や書記様がいたこともあいまっておかげでクラス中が喧騒に包まれた。
クラスにつくなり開口一番「転校生はどこだ」と有無を言わせない発言力を発揮した会長様は一目で転校生を気に入ったらしく、ずんずん転校生に近づいていき、会長が「おい、」と転校生に触れようとした、のだが。
それまでずっと俯いていた転校生が立ち上がり、そのまま教室を飛び出していった。
そのときの会長の顔といったらそりゃあもう思わず噴出すくらいの間抜け面だった。
初めて自分に向けられた反応が面白かったのか、それからも生徒会の奴らが転校生に会いに来たけど、その度転校生は逃げてしまうのだ。
そのつれない態度に会長様に火がついて、逆に親衛隊たちは手のひらを返したように転校生を攻撃しはじめた。
それに比例するかのように次第に転校生の人気は落ちていった。
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