3人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
扉は開いていなかったので、ドキドキしながらインターフォンを鳴らした。(こっ、恋人みたい……なぁんてっ///)などと思っていると、鍵がなかから開いてシャツを着くずした曽良がが出てきた。
ちらちらと見える鎖骨に見とれていると、「松尾さん?」と怪訝そうに聞かれ、あわあわしながら中へ案内されていった。
いつもの見慣れた診察台も夜になると少し怖く見える。それより何より、今は河合先生と二人きり…と考えると、何だか変な気がしてきた。
が、私も彼も男なのだと考えると、まぁ変なことは起きないだろうと一人納得し、苦笑しながら診察台へと腰を掛けた。
「まずはクリーニングをすませてしまいましょう。」と言われ、芭蕉はおとなしく口を開けた。
キュィーンという機械音が静かな部屋に響く。いつもなら賑やかな子供の声や、先生たちの話し声が聞こえるのに…などと考えているうちにクリーニングは終わっていた。
(ついに言われる……)
そう思っていると、曽良は起き上がろうとする芭蕉の肩を押さえつけた。
「え…?」
「先に触診をしますので、このまま寝ていてください。」
「びょ、病名は言わないの?」
「…………」
黙ってしまった曽良に、芭蕉は自分の病気はそんなにひどいものなんだ!!!と怯え、従うしかなくなってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!