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魔物により、親を失なった子供が集まる施設にその子供はいた。
無愛想に近い、無表情でいつま外ばかりを見ていた。
まるで世界を拒絶しているかのように
周りの子供達が遊びに誘おうが、それをはね除けて自分の世界に篭ってしまう。
そんな少年だった。
「スザク君、遊ぼうよ」
「・・・僕は、別にいい・・・・・・」
「何でスザク君はいつも外ばかりを見ているの?」
「・・・・・・・・・君達には関係ない、僕に関わらないでくれよ」
施設内での成績は良かったが、少年を理解している者は居なかった・・・一人を除いて
「また一人なのですか?」
「施設長・・・僕はこれで良いんだ。一人の方が気楽だから」
「あなたはまた、ご両親を思い出していたのですか?」
それを無表情でははっと笑いながら少年は施設長を見た。
「悪いか?たったの8歳の子供に両親に捨てられたって理解しろとでも?」
「理解して・・・とまでは言いませんよ。でも、スザク・・・あなたは一人じゃないのですからね」
微笑みながら、施設長は奥に消えて行った。
それを無表情で冷やかに見送り、誰もいなくなると少年は口を開く
「・・・・・・偽善者が・・・」
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