拒絶された孤独

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少年が施設に来たのは、2年前の冬だった。 捨てられたと理解したのは、それから半年後 自分のいる場所を把握した時だった。 それから、彼は無表情になっていき、周りを拒絶するようになっていた。 施設にいる子供は、皆、親の顔を知らずに来たり、親の顔を知っていても施設にいる間に周りに心を開いていった者ばかりだった。 「・・・・・・ここの空気を吸っていると頭がおかしくなりそうだ・・・」 それが少年がいつも思っていた事だ。 そう思わないと、自分が自分じゃなくなりそうだったから 周りを拒絶する事で、少しでも自分の世界に拠り所を見つけたかった。 「・・・・・・僕は一人の方が気楽だ」 自分だけが、自分を理解出来ている・・・少年はそう思っていた。
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