拒絶された孤独

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「でも、僕には運が無い・・・・・・世界を受け入れようとした瞬間に、世界から拒絶された・・・」 自嘲混じりに、彼は話す。 「・・・でも、私に会えた。それだけでも運は良いですよ?」 「・・・え?」 「また、人として暮らしたいですか?」 勿論だ。だが、どう足掻いても人にはもう戻れない 彼は藁にもすがるといったような感情で言った。 「・・・はい」 男はニコリと微笑むと1つの腕輪を渡す。 「これは、貴方に未来を運んでくれる物です。これを付けている間は貴方は人の時と同じように過ごせる。そして、契約をすれば外していても・・・まぁ、今は良いですね」 「・・・?」 「人として、未来を願うなら、この先に住んでいる男を訪ねなさい、あの子は、不器用ですが案外優しいですから」 言うだけ言うと、男は去っていってしまった。
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