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後ろ手に捻り上げながら耳元に顔を近付けて何かを囁くと、鳩尾に一撃を叩き込み気絶させた。
その後、男のズボンを脱がして女性に渡し自分は後ろを向いた。
「嫌かもしんねえけど、少しの間だから着ててくんねえか?」
女性は頭を縦に振ると、すぐに着て青年の方を向いた。
青年はロープで拘束した男に何かを書いているようで、女性は後ろからそれを覗きこむとフッと笑い出しそうになり抑えた。
〔私は女性を襲い逆にメタメタのボコボコにされました〕
そうTシャツに書いていたからだ。青年は女性が着替え終わったのを確認すると立ち上がり向き直り、手を差し伸べた。
「じゃあ、行くとしましょうか」
差し伸べられた手が強く握られたとわかった瞬間に、青年はそのまま女性を抱え上げた。
短い悲鳴を上げたが暴れることはなく、大人しく抱えられた。
青年はクスリと笑うとそのまましゃがんだ。
「天使って、見たことあるか?」
「?」
女性は首を傾げた後に横に振った。
当たり前だ。天使なんて言葉は人間の空想に過ぎない。
「じゃあ、見せてやるよ。天使さんってやつを」
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