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そこからは、あっという間だった。
最初、少年を城に住まわせる事に反対した者も居たが、やがて打ち解け家族も同然になっていた。
「おい、ナタ!」
「なんだ?」
今では、普通の生活として定着化していた。
少年を呼び捨てにする者がほとんどだが、それは侮蔑では無い確かな仲間関係が有った。
「また街から苦情が来たんだよ」
「また・・・か、で、探して来いって?」
「ああ、お前しか魔王様を見つけられないんだ・・・頼むよ」
少年は呆れ顔で頭を掻きながら「仕方ない」と会話を終わらせて、その場を後にした。
あの人は、またあそこか
と目指したのは、城の屋上だったが、魔王と少年しか行き方を知らず、少年も偶然見つけた通路で行き来をしている。
「・・・やっぱりここですか、魔王様」
「おっ、今日はなんです?やっと煙草を一緒に・・・」
「街からの苦情です。それに俺は15・・・」
「またですか・・・嫌ですねぇ、仕事を少し溜めただけで苦情ですから」
溜め息を1つ吐きながら、魔王は煙草の煙も一緒に口から吐き出した。
少年は、諦めたように手で顔を覆いながら魔王に近付く
「そりゃそうですよ、1ヶ月も溜めてんだから」
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