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そんな他愛の無い生活が、いつまでも続くと思っていた。
いや続いて欲しいと願っていた。
あんな形で消されるまでは・・・・・・
「ナタ!ナタ!!」
「うるせぇよケンイ、何時だと思ってんだ・・・」
眠い目を擦りながら、少年はベットから上半身だけ起き上がりながら隣で叫ぶケンイを睨む
「仕方ねえだろ、お前一度寝ると起きねえんだから」
意地悪に笑い、ケンイは少年を見下ろした。
少年は額に青筋を浮かべながら、握り拳を作って溜め息を吐く
「で、何のようだよ?」
「一応俺、お前より歳上だぜ?」
困り気味に苦笑した後に「実はな・・・」と続けて言葉を言った。
「今日は誕生日だろ?お前の」
最初、少年は疑問符を浮かべて頭を横に傾けたが、しばらくして思い出したとばかりに口を開いた。
「よく覚えてたな・・・一回しか言ってねえのに」
「俺の記憶力舐めんじゃ・・・・ねえ!」
少年の額にデコピンをしてカッカと笑い出す。
「イテェな、何すんだよ」
「うるせえ!行くぞ」
手を引くように少年を引っ張って部屋から連れ出して何処かに向かっていく。
「おい!何処に行くんだよ、俺まだ寝間着・・・」
「ちっちゃい事は気にすんな」
何がちっちゃい事だよ・・・・・・
呆れながらもケンイに苦笑しながら少年は付いて行った。
終わりに近づいているとも知らずに・・・
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