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少年達が着いたのは、魔王城から少し離れた丘だった。
少年は息を切らしながら、連れてきた張本人に疑問を投げ掛けた。
「なぁ・・・こんなとこまで来て・・・なんだよ・・・・」
「体力ねぇな、やっぱ・・・・・・まぁいいや、ちょい待ってろ」
ケンイはそう言うと、丘に一本だけ生えている木に近付いて根元を掘り出す。
少年は、その行為に疑問を感じずにはいられず、ケンイに近付き何を掘り出しているのかを覗き込んだ。
「待ってろって言ったのに・・・・・・別に良いか、ほらよ」
掘り出した小箱のような物を少年に投げてよこし、少年は落としそうになるがキャッチする。
小箱は重く、少年には少し重すぎるかといったような物だった。
「なんだよ・・・・・・これ?」
「開けて見ろよ、魔王様からのプレゼントだ」
「魔王様からの?」
それを聞くと少年は小箱を開けた。
中には、小型のリボルバー式拳銃とメモ・・・+でライターも付いていた。
「・・・何を考えてるんだ」
拳銃を取りながら呟くと、ケンイが更に何かを投げ渡した。
「・・・?」
それはケンイがいつも腰にしている刀だった。
「おい、何でこれ・・・」
「渡すもんが思い付かなかったんだよ」
頭を描きながら仕方ないだろうと言わんばかりに溜め息を吐きながら少年に言った。
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