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『散開しろ!』
ひっつかんだ無線機に叫ぶと、自らはフレアシールドを展開する。
戸惑う味方を押しのけ、必死で前に出る。
その半ば、彼方に閃光を見た。
一拍遅れて襲いかかったのは、地を揺るがすような轟音と、青白い粒子の束であった。
熱線は逃げ遅れた5機程のラプターを一瞬で蒸発させ、フレアシールドに守られた生き残りを余波で吹き飛ばす。
バイオトリケラは低姿勢を保ち、シールドを解除。ラプター達もどうにか立ち上がった。
しかし、彼等はパニックに陥っていた。無理もない。一握りの武器でしか傷つけられない装甲で無敵を誇ったバイオゾイドが、こうも呆気なく消滅させられたのだ。
トリケラのシールド展開が少しでも遅かったら、確実に全滅していた。
『敵は……一体どこから撃ってきた?』
『れ、レーダーに反応無しです。』
「狼狽えるな!あれだけ高出力のビームだ、連射はできまい。フレアシールドのフォローできるエリア内で……」
混乱する戦線を立て直すべく檄を飛ばす指揮官。その額には大粒の汗が浮かんでいる。
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