8人が本棚に入れています
本棚に追加
吹き荒れる砂嵐の中から、更なる攻撃が繰り出される。
高速で打ち出された何かが量産機のメガラプトルに直撃。その首を掴むのは、三本爪のロケットアンカーだ。ワイヤーが巻き取られ、引き倒されたメガラプトルが砂の向こうに消えてゆく。
次の瞬間、小さな爆発音が起き今度はより第質量の物が投げ込まれた。
それを見たラプトル部隊の隊列が大きく乱れる。それは胴を半ばから切断されたメガラプトルの成れの果てだったのだ。
かなり鋭利なもので挟みきられたらしく、切り口は未だ摩擦で赤く変色している。
威嚇音を発しながらも、後退るバイオゾイドたち。彼等に見せつけるかのように、暴風の中から現れた機体があった。
艶のない漆黒の装甲に、眩く輝く黄金のフレーム。背にはブースター、両脇には巨大な盾を装備し、四肢の爪は刀のような輝きを放っている。
頭部に長大な剣を備えたそれは、『砂漠の黒竜』に違いなかった。
大異変で絶滅した筈の恐竜型ゾイド『ジェノブレイカー』である。
指揮官の指示が飛び、囲むようにラプターが展開する。
ラプター達が口を開き、ヘルファイア発射の態勢に入る。四方から放たれた高温の火球。ジェノブレイカーの体を焼き尽くそうかという時、それらは全て空を切っていた。
スラスターを噴かした黒竜が、頭部のブレードを展開し、猛突する。
そのスピードは、初速で400kmを優に超える超高速である。真正面にいたラプターがそれを避けられるはずもない。口腔にブレードを深々とねじ込まれ、短い悲鳴の後に爆散した。
最初のコメントを投稿しよう!