一章

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夢の中で声がする。 目の前は真っ暗。目が開いてるのか、閉じてるのかすら分からない。 「愛姫。」 名前を呼ばれる。 私の大好きな、落ち着いた優しい声。 でも、真っ暗で何も見えない。 名前を呼ぶ声は段々と小さくなってる。 (待って…) (待ってー。) 「烝ーーー。」 自分の大声で目を覚ます。 頬には、また涙が伝っている。 初めて知った彼の名前。 大好きな優しい声。 何で夢なんやろ? ホンマにただの夢なん? こんなに切ないのに…
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