二章

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朝、約束通りの時間に澪が迎えに来た。 澪は何やら大事そうに雑誌を抱えている。 「何の本持って来たん?」 「あぁー、これ? ジャジャーン。『新撰組と歩く京都』 雑誌で特集やっててん。」 「あははー、さすが澪。準備ええなぁ。」 「そやろ?そやろ? しかも、これなー、どのバスに乗って、どういう順番で巡ったらええのかも、書いてあるんやで。勿論、その近くの美味しいご飯屋も。」 「ホンマ? ほな早よ行こう。」 澪と並んで、足早に駅を目指す。 「そや。昨日話し途中で変わってしまったけど、どうなん?」 いきなり質問をされたが、何の事か分からず、首を傾ける。 「夢の話し。ホンマは最近見たんやろ? 昨日その話しした時、何か様子おかしかったし。」 澪の顔からは心配の色が見える。 その気持ちが嬉しい。 私にとっても澪は、かけがえのない親友やから。 「うん。一昨日の夜になぁ、めっちゃ久しぶりやったわ。やから、昨日そのタイミングで夢の話しされて、ビックリしてん。」 「そっかー。で、何でそんな悲しそうな、顔してるん?」 「夢の男の人な、めっちゃ悲しい顔してた。今まであんな顔見た事あらへんかったから… 『どうしたん?』『何かあったん?』って聞きたかっけど、声が出てくれへんかった… 起きた時泣いとった。 ただの夢やのに可笑しいやろ?」 愛姫は笑顔で話してるが、とても切ない笑顔で、澪まで苦しくなる。 何て返事をしたらいいか、迷ってる澪の横で、愛姫は昨日見た夢も話し始める。
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