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国枝 真(クニエダ シン)
─────ここは神奈川県横浜市都筑区。
夕暮れが街並みを照らす中、
どこにでもあるような住宅街の、
とある公園に俺ら二人はいた。
その片方、
身長が小さく小麦色の肌をしたベンチに座っている少年がいる。
それが俺、
国枝 真だ。
「ほーらよ!」
ベンチに座ってぼんやりと夕暮れを眺めていた俺に、
そいつは突然自販機で買ってきた缶ジュースを投げてくる。
パシッ
「さんきゅー。」
俺はそれをキャッチするとそいつにそう返した。
まぁ、
突然っていうか買ってきてって頼んだの俺だしな。
低身長な俺よりも幾分か身長が高く同じように小麦色の肌をしていてだがしかし俺とは違い太っているそいつ、
国枝 勇(クニエダ イサム)は缶ジュースをあけながら俺の隣に座る。
……あ、俺もアイツも同じ"国枝"って名字だけど全くの別人だよ?
偶然名字が同じってだけだぜ?
俺も缶ジュースをあけてそれを飲む。
……うん、
やっぱりバリヤースのりんごジュースだな。
俺はふと自分達の服装を確認する。
目に写るのは今まで着なれた中学校の制服である紺色のブレザーと灰色のズボン。
ブレザーの内側にはいつも通りの水色のパーカーとそれだけ外側に出たフード。
そして、
エンブレム化された校章の刺繍がついた胸ポケットの近くには、
今朝つけたコサージュ。
「でもさぁ、
やっぱりイマイチ実感無いよな。」
俺はそんな自分達の服装をみて勇にそう言った。
すると勇も一息ついてから口を開く。
「だよな。
今日で中学校卒業なんてさ。」
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