プロローグ

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ふと春風が吹き木々を揺らす。 ……春風つっちまったけど、 やっぱまだ3月だし寒いんだよな。 くそ…… リンゴジュースなんかじゃなくて、 コンポタか昼ティーにしとくんだった…… 「うーさみいさみい……よいしょっと!」 俺はリンゴジュースを一気に飲み干すと、 空き缶をベンチの上に起きながら立ち上がった。 「そろそろ行こうぜ? 卒業打ち上げに遅れちまうぞ?」 俺は機種変したてのスマホで時間を確認して勇にそう言う。 この前卒業祝いって事でやっと機種変して貰ったスマートフォンだ。 すると同じように真新しいスマホで時間を確認する勇。 因みにこいつも卒業祝いって事でやっと携帯買って貰えたみたいだ。 「やっべホントだ。 皆そろそろ集まってるだろうしそろそろ行きますか。」 勇もジュースを飲み干すと、 それを俺の置いた空き缶の隣に置いて立ち上がる。 「んじゃあ行こうぜ。」 「おう。」 そう言って歩き出す勇。 俺もそのあとを追う。 もう一ヶ月もしないで入学式だし、 皆で集まれるのは多分今日で最後だろうな…… 空には既に一番星が燦々と輝いている。 俺達はそんな中公園を後にしたんだ。
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