プロローグ

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いつまでも昔話ばっかして、 思い出に浸ってばっかいるのもアレだよな。 来月からは隣の海老名市にある、 "県央農業高校"の園芸科学科に行くんだ。 なんでそこかっていうと、 まぁ、 田舎のばあちゃんちとか行った時楽しかったし、 それに……やっぱり成績関係の問題でかな。 あと近いしね。 電車ですぐ隣だし。 にしても高校大丈夫かな? ちゃんとやってけるかな? 我ながら悪い癖だとは思う。 でも、 やっぱり不安になってしょうがないんだ。 「いつまでもこんなんじゃきりがないよね……」 俺は自分の頬をパンパンと叩く。 そして、 いくら人通りの少ない住宅街とはいえど、 道端で一人アホ面こいてそんな事をやっていた事に気付きあたりを見回す。 ……誰も見てないよな? よし、 大丈夫だな。 そうこうしているうちに見えてきた我が家。 明日からは高校の準備とかもしなきゃな。 新入生説明会とかも休み中にあるみたいだし。 俺は鍵穴に鍵を差し込みそれを回し、 そしてドアノブに手をかける。 「ただいまー。」 そして俺は最後の帰宅でも、 いつも通りそう言いながらドアを開いた。
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