プロローグ

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国枝 真 晴れ渡った空の下、 俺らは"いのちはぐくむ"と刻まれた記念碑の前に整列していた。 まぁなんで並んでるかってのは言うまでもないとして、 これが何の記念碑かっていうとこの県央農業高校創立100周年記念のものらしい。 にしても、 こうして見ると本当に高校生になったんだな俺…… 身にまとっているのは真新しい学ラン。 ボタンには校章が刻印されていて、 左襟にもまた校章のバッジがついている。 ……なんだかな、 中学校三年間制服はブレザーだったから なんか学ラン着ると首がこう……とりあえず邪魔くさいんだよな。 せっかくの新しい制服だけどさ。 まぁ、 もし中学校上がるときに引っ越してなきゃ、 俺も中学校三年間学ランになってた訳だけどさ。 にしても、 やっぱ色んなやつがいるもんだな。 でもってやっぱ皆俺よりも身長高いなー! まぁだからって別にどうってことないけどね……ん? 俺は視線を感じ隣にいたそいつを見る。 肌は回りと比べると若干白めで身長は俺と同じくらい。 このクラスの男子の中での身長最下位争いは、 どうやらこいつとする事になりそうだ。 んでもって、 言っちゃ悪いけど、 ちょっとぽっちゃりとしている。 勇に比べりゃあ随分と痩せてるけど。 ……さすがに入学初日から、 いつまでもガン飛ばしてるべきじゃないよな。 「えっと…よろしくっ!」 挨拶は基本だよな。 すると少し間を置いてそいつも、 慌てた様子で口を開いた。 「よろし…」 「はーいじゃあ皆さんこっちを向いてー!」 おいおいカメラマンさん、 いくらなんでもバットタイミングすぎるぜ。 俺らは慌てて前を向く。 そして一声おいてカウントを始めるカメラマン。 「3…2…1!」 そしてここから始まる、 "何も知りたくなかった世界のお話"。image=489882544.jpg
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