ひき逃げ

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昼食時、僕はいつも通り高橋と食べた。 高橋は僕に言った。 「松村。今日お前授業全然聞いてなかっただろ?」   僕は驚愕した。 「あぁ。その通りだよ。どうして分かった?」   高橋は腕を組んで笑った。 「俺、お前より後ろの席だろ?だからたまにお前の事見てるんだけど、ずっとぼーっとしてた感じがしたからだよ。黒板を見てるわけでもなく、先生を見てるでもなく」   なるほどね。高橋は人をよく観察したがるのだろうか。 「お前、よく人を見てるな。大学は心理学科行けよ」 「人間観察が心理学というわけではないだろ。ま、授業聞かないはいいけど、二年生まだ始ったばかりだし、いきなりこけることはないようにな」   わかってるって、と僕は笑い飛ばした。
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