ひき逃げ

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僕は頭の中で校舎を発見した。草花の次のページにあった。 いや、本の形式ではないけど、そう表現すると、より近い。 なんだか、アルバムのようだ。   すごい。 僕にはこんな能力があったんだ。 どうして今まで気付かなかったんだろう。 僕はなんだか嬉しくなって、スキップで教室まで行ってしまった。 案の定、それを見た高橋は 「お前、頭大丈夫か?」 と心配してくれた。いや、馬鹿にした。   そのハイテンションのまま午後の授業に突入したので、授業内容がすんなり頭に入ってきた。 あぁ。 授業が解るってこんなに楽しいんだ。実感した。 今までは、ほぼ睡魔との格闘だったから余計感じた。 帰りのホームルームが終わると、高橋は真剣に心配そうに僕を見た。 「松村……。今日変なテンションだな。悩み事でもあるのかと思うほどの姿勢から午後のあの授業態度。お前みたいなやつ初めて見た」   安心しろ。僕もこんなことは初めてだ。 「人生山あり谷ありってことの具体例さ。あー、まじ人生は楽しいな」 「お前自分が何言ってるかわかってねえだろ」 「あぁ」   そんな話で笑った後、高橋は部活があるらしく部室へ向かった。 僕は部活はやってないので帰ることにした。
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