ひき逃げ

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あの後、僕は警察と救急車を呼び、高校生が運ばれるのを見届けてから帰った。 翌日、担任の先生から連絡があった。 「昨日、本校の生徒が事故にあったみたいだから、みんなも気をつけて」   あぁ、事故に合ったのはこの学校の人だったんだ。 昨日は焦っていたからそこに気付かなかった。 そう思いながら話に耳を傾ける。 先生は淡々と話す。 「それで、ひき逃げ……みたいだから、事故を起こした犯人は見つかってないらしい。もし事故を見てた人がいたら、生徒指導室まで」   僕は、迷った。中途半端なことは言っても無駄だと思うからだ。 どんな些細なことでも、と言う人は言うが、実際はそうでもないと思う。 僕は……言わないことにした。 たいしたことを知っているわけでもない。 「お~?何か知っていそうな顔だな?」 気が付くと、高橋が僕のところに来ていた。 いつの間にか朝のホームルームは終わったらしい。
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