プロローグ

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玄関のドアを開けると、いきなり数個のドアが現れた。 それぞれ小部屋に繋がっているのだろう。 廊下なんてない。ドアで敷き詰められている。 「すみませーん」   誰もいないのだろうか。何度か声を上げてみる。 しかし、我ながらこの好奇心はたいしたものだ。 関心を持ったものはとことんやらないと気が済まない。 いったいこの建物はどんな人が住んでいるんだろう。知りたい。   応答が全くないので、ドアをひとつ開けようとした。 しかし開かない。 どうやら鍵がかかっているようだ。 ……そう思った瞬間、僕はあることに気付いた。 「これ犯罪だよな……」 勝手に人の家(?)に入り込むのはあまりにも非常識だ。 何やってたんだろう。 少し自分を笑ってみた。 変な笑い声が響いた。
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