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まだ朝海が6歳の頃、明が突然家を飛び出し、夜の10時を過ぎても帰って来ない事があった。
明の母、雅子と朝海は外に出て明の帰りを待った。
「明どこに行ったのかなぁ??」
泣きじゃくる朝海。
朝海の頭をそっと撫でながら雅子は声をかけた。
「大丈夫、あの馬鹿明は必ず帰ってくるから。」
平気そうな顔をしているが、実は雅子も不安でいっぱいだった。
しかし、自分も不安な顔をしていると、朝海は余計心配すると思い一生懸命何も心配していないフリをした。
時計の針が0時を過ぎ、日にちが変わった。
雅子が警察に連絡しようと思った時、前からボロボロの虫あみを持った少年が歩いてきた。
明だ!!
朝海は泣くのを止め、すぐに明の側まで走って行った。
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