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「うわぁ、キレイ」
オテンバ娘の朝海も目の前に広がる壮大な景色にうっとりしていた。
朝海ですらうっとりしていたのだから、明は当然…おおはしゃぎだった。
「やべーな!あっち見てもこっち見ても海だぞ!空と海の境目はどこだぁ??」
もうまるで手の付けられない子供のようだった。
「なぁ、朝海!海も空もすっげぇ~青いんだな!ベリーブルーだな!」
「ベリーブルー??」
朝海が不思議そうに尋ねると、明は得意げに話始めた。
「なんだ知らねーのか?『VERY』ってすんげぇ~って意味だって英語の先生が言ってたぞ?すんげぇ~青いからVERY BLUEだ。」
英語担当の吉川先生は明にどんな教え方をしたんだ…。まぁ間違ってはいないんだろうけど…。
「VERY BLUEかぁー。」
朝海は妙にその言葉が気に入った。
「そういや~、あさみって『朝』の『海』って書くんだよな?」
「そうだよ?今さらどうしたの?」
「だったら朝海、おまえもVERY BLUEだな!」
「はいはい、私はVERY BLUEですよ…」
明との不思議な会話もいつの間にかもう慣れた。
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