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「朝海、おまえここで待ってろ!」
そう朝海に言い残すと、突然海に向かって走りだした。
「ちょっ、ちょっとどこ行くの!?」
心配する朝海をよそに、明は満面の笑みを浮かべながら海へと急いだ。
「なぁ朝海!イルカはどこだぁ!?」
虫あみを振り回しながらジャブジャブと水の中に入る。
「あんた本気でイルカ捕まえる気なの!?こんな場所にイルカなんかいないって!そもそもそんな虫あみじゃもし居ても無理だって!」
朝海の声が聞こえたのか聞こえてないのか、明は虫あみを振り回すのを止めない。
「危ないから早く戻ってきなさい!」
朝海は居ても立っても居られず、水際まで走った。
「あんた、溺れたらどうするの!?」
「朝海がいるじゃん、なら俺大丈夫だ!」
「ばっ馬鹿な事言ってないで…」
朝海は嬉しかった。自分がいる事で、それを頼りに今まで平気で馬鹿な事ができたんだと思うと自分がすごく必要とされてる気がした。
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