夢って何だ?

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「なぁ、朝海?」 「なぁに?」 朝海は明の隣に座りながら返事をした。 「おまえ、夢ってあるか?」明は空を見上げたまま尋ねた。 「夢かぁ~…小さな頃はたくさんあったけど…。今はどうだろ?でもピアニストにはなりたいかな。私のピアノの音色を世界中の人に届けるの。世界中のみ~んなに。世界中の人のハートを温かくしたいの。」 「そんな事できんのか?科学が進歩しているとはいえ、人間にそんな事が可能なのか?だって温かくって言ったって全くピアノに興味ない人だって…。」 「明あのね。」 朝海は明の会話を一旦止め、また話し続けた。 「自分に何ができるのかよりも、自分は何がしたいかが大事だと思うな。明だって普段から馬鹿な事ばっかりやって、みんながそんな事できるの?って事をやってのけたじゃない。」 「自分は何がしたいのか…。」明はぼそっとつぶやいた。 「そう。心に素直に、自分に正直に。この世の中、正しい答なんてないの。自分がやりたいように…あっ、でも人を傷付けるのはよくないよ?まぁ、時として傷付けなければいけない時もあるのかもしれないけど…」
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