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「なぁ、これカノンって曲だろ??」
突然の明の発言に朝海はびっくりした。
「へぇ~っ!まさかあんたが知ってると思わなかった。」
そっかぁ、朝海はあの時の出来事を覚えてないのか…。ちょっぴり悲しかった。
「恵子ちゃんに聞いたよ。もうすぐコンクール何だって?」
「うん、来週の日曜日。なぁ~んかうまくいかないのよね。いつも同じ所で間違えちゃって…。」
「そっかぁ…。俺、先帰るな?頑張れよ!」
「うん、ありがと。あんたこそ作家になる夢はどうなの?」
「おっ…おう!みんな応援してくれてるぞ!みんな明ならなれるって言ってくれてる。みんな見る目あるなぁ~…。」
「あんたも順調そうで良かった。私もうちょっと練習してくね!」
「おぅ…。またな!」
明は音楽室から出て、扉を閉めた。
…はぁ~…。
今まで何度も朝海に対してくだらない冗談を言ってきたが、今回の嘘は胸が痛んだ。
…ごめんな、朝海。
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