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「あれ朝海か??」
明はドレスアップした朝海に見とれていた。
「あいつ…あんなに可愛かったのか?」
もう何百回も見た顔なのだが、見すぎたのか、近すぎて気付かなかったのか…。
朝海が客席に向かってお辞儀をした。
つられて明もお辞儀をした。
朝海がピアノに向かい、ゆっくりとイスに座る。
「ふぅー。」
小さく息を吐くとこれまたゆっくりピアノに手をかけた。
演奏が始まった。
ゴクリ…。
明も汗ばんだ手を握りしめながら真剣な眼差しで朝海を見つめた。
こんな広い会場を、朝海の音が一つにした。
すげぇ~…。
音楽の事はちんぷんかんぷんだが、体中が震えた。
朝海の演奏が終わった。
朝海が席を立ち、一礼をし舞台を後にした。
すげぇー…。あいつてっぺん近いんじゃないか?
演奏が終わっても明は余韻に浸っていた。
成績発表の時間がきた。
すげぇ~な。朝海こんな所で名前呼ばれるなんて。
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